○良かった点
・キャラクターデザイン。
→「けいおん!」の主要登場人物そのままで、「けいおん!」2期の繋ぎとして見れば「けいおん!」熱を持続させる効果を持っていて「けいおん!」ファンにはたまらないだろうと思う。
○悪かった点
・中途半端な過去描写。
→恐らくは唯が喇叭手を目指す切欠となったエピソードなのだろうが、それに加えて戦争の悲惨さも描写しているように感じる。(ただ唯の母親が行方不明になった、というだけならわざわざ崩壊した建物の中に唯を配置する必要が無い。)
となると、喇叭手とのエピソードの前に戦争の悲惨さを描かないといけない。そうでなければ、初めから戦争を匂わせる描写は描かない方が良いと思う。
そんなに軍隊と絡めたいのなら、軍事パレードで良いと思う。唯が軍事パレードの鼓笛隊を見て、カッコ良いと感じて、私、軍の鼓笛隊の喇叭吹きになる!で良いと思う。
・喇叭手になる動機。
→母親が行方不明になって悲しい時なのに、何故喇叭に目が行くのかがさっぱり理解できない。(そのシーンの演出からして、唯が喇叭に興味を持っている事を示している。何故?母親はどうでも良いの?だとしたら何故?)
・世界観。
→現実世界にあるものをごちゃ混ぜにして作られた、統一性の無い世界で、全く魅力を感じなかった。
・唯が戦利品のキャラメルをうまうました所。
→唯が上官から受け取った「戦利品」を満喫したカットを見て非常に違和感があった。
唯は戦災孤児という設定で、恐らくは住んでいた地域が戦場となったのだと思われる。戦場になったという事は、唯の家でも敵国(もしくは自国・同盟国)による略奪が行われた可能性がある。(唯が直接見ていなくても、略奪された後を見れば理解できるだろうから)
略奪された体験があるのかもしれないのに、自国民もしくは敵国民から略奪した物品をよくも平気でうまうまできるものだ。
もしかしたら、奪われたのだから奪っても当然という考え、もしくは「戦利品」という言葉の意味を全く知らない可能性、もしくは上官から頂戴した物なので拒否できなかった(キャラメルうまうまは上官と別れた後だったから、拒否は無いな)のかもしれないが、それでも違和感があった。
・時々入る、芝居がかった台詞。
→澪が店内で店主と交わした会話が特にそうだった。聞いているこっちが耳をふさぎたくなるような恥かしい台詞だった。
もし、澪が演劇大好きっ娘で、劇の台本を手放さないようなキャラクターだったら、芝居がかった台詞が出ても当然だが、実際はそうでない(芝居がかった台詞も店のシーンだけだったし)ようなので、恐らく脚本家が澪に言わせたらカッコ良いだろうと思って入れた台詞なのだろうと思う。
・作品の方向性が分からない所。
→この作品で描きたい事が何なのかが全く分からない。単純に、楽器の演奏が上手い人に憧れ、その人に追い付きたくて頑張る少女を描きたいなら、戦争を匂わせる描写は邪魔だし、架空の世界を作る必要も無い。
妙齢の女の子達がキャッキャウフフしている姿を描きたいのなら、余計な設定を排除して現代の日本の女子高を舞台にすれば良い。
戦争の悲惨さを描きたいのなら、戦争に初めて参加する新兵の目線で戦場となっていない場所の平和な様子、戦火に飛び込んだ、巻き込まれた人間達の様子を良い方向から悪い方向へ描く必要がある。(これから悲惨な方向に向かうのであれば、今回の話は悪くないが・・・)
もしかしたら喇叭手とはどんな職業なのかを描くのがテーマなのかもしれない。
ならば、次回くらいで戦場における喇叭手がどれだけの役割を果たしているのかを描いてくれれば、以降は職業モノとしてこの作品を見るつもりだ。
※キャラクターデザインが「けいおん!」に酷似している為、この感想を読んでいただいている方が理解しやすいように敢えて「けいおん!」の登場人物の名前を当てはめています。本当の名前はアニメのキャストテロップを見るか、公式サイトに行って確認して下さい。
2010/01/05
パズドラクロス 第87話「光の潰える時」
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