去年の夏に公開されたアニメ映画、ブレイブストーリーをTSUTAYAの会員更新のサービスで無料レンタルした。
鑑賞前に映画批評空間で評判を読んでみたが(別の意味で)大絶賛だった。
一体どれだけ(別の意味で)面白いのか、早速鑑賞してみた。
これはすごい。
ここまで酷い作品だとは思わなかった。
やはりまず突っ込まなければならないのが、ワタルがヴィジョンに行く動機が全くと言ってもいいほど、描かれていない事だ。
ワタルが幸せな家族を取り戻したいと思う為には、ワタルが家族と幸せに暮らしている描写をこれでもかと入れないといけない。
たかだか1分程度、朝食シーンを見せただけで幸せ家族を描いたことにはならない。
酷いのはこれだけにとどまらないが、最も酷いのはシナリオを進めるためにワタルにとって都合の良いように環境が動いている事だ。
僕にとって「都合の良いストーリー展開」というものは、物語においてやってはいけないものの一つだと思っている。(ちなみに、「物語の中でテーマを口にしてしまう事」もやってはいけないものの一つだと思う。この作品はこれもやっていた。)
この映画はその最たるものだ。
反面教師作品として見るなら最良の作品だが、そういう目的でなければ絶対に見てはいけない作品だ。
この作品を見て、宮部みゆきの小説は全てストーリーに都合良く展開する作品なのだろうと理解した。(後で機会があったら読んでみるつもりだが)
だが、この作品で良かった点がある。
それは、ミーナとゾフィが(僕にとって)好みのキャラクターだった事だ。
それが唯一の救いだ。
追記
この作品のテーマ「人は、幸せは他人を犠牲や宛てにして得るものでは無く、自らの力で得るもの」だが、このテーマをきっちりと描きつつ、更に「人は他人を幸せにする為に生きるもの」というテーマも描いた作品がある。
それは「演歌の女王」だ。
この作品はファンタジー世界を描く事無く、2つのテーマを同時に描ききった良作だ。(ただし、突っ込み所は限りなく多いが)
演歌の女王で最も良い点は、主人公は自分と似た境遇にある人を命懸けで救い幸せにする(ただしそれは切欠にすぎす、結局幸せは助けられた人自身が掴んでいくのだが)、ブレイブストーリーで描けていなかった点だ。
僕はブレイブストーリーよりも演歌の女王を見る事を薦めたい。
追記2:2007/04/22
先日、小説のブレイブストーリーの序盤(廃ビル潜入辺り)を読んだ。
物語がなかなか進行しない上に、キャラクター描写を殆どせずに設定説明(例えば、亘のお父さんの設定説明や亘の友達の家族の説明等)に行を費やしていてテンポが悪かった。
よくもまあこんな読み辛い作品をアニメ化しようと思ったものだ。
2007/03/24
パズドラクロス 第87話「光の潰える時」
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