面白くなかった。
今回は貴族の横暴で平民が苦しんでいる村を掬う話だったが、話のキモである貴族と平民の関係を描写せずに話を進めてしまった。
「貴族」と「平民」という単語を出しただけで「貴族」と「平民」を描いた事にはならない。
アリスは、貴族は平民を守る為に居る、というような趣旨の発言をしていたが、そういう描写を前もって描かなければ説得力が無い。
例えば、アリスの家では戦前、戦中、戦後と領民をどのように扱っていたのだろうか?
領民を守る為に領主はどんな行動を取ったのだろうか?
領地の場所にもよるだろうが、例えば敵国と隣接していたら外敵から領民を守ったり、安全な土地へ疎開させたりしたのだろうか?
もしくは疎開してきた平民を自分の領地に一時的に置いてやったりしたのだろうか?
また、自分の領地が敵国の爆撃を受けて領民の家や田畑などがダメになってしまったとして、領主は何か援助したのだろうか?
こういった描写を、少なくともアリスの領地で行っていればアリスの怒りや発言が非常に重いものととなるのだが、これらの描写はおろか、そもそもアリスが貴族の娘だった事さえ明かされていなかったので、アリスの怒りや発言はいまいち心に響かなかった。
この作品は戦争を描いていないのに戦後を描いてしまっているのがまずいと思う。
初回はアリス目線で戦前から戦争終結までの貴族、平民、軍隊それぞれを描くべきだと思った。
そこで戦前戦中の貴族、平民の生活を描き、それを見てアリスがどう思ったのか、そしてどうして軍隊に入ろうと思ったのか、を描けばアリスのキャラクターが立つと思う。
前回も感じたのだが、アリスの異常なまでの熱血っぷりが気になってしまい、特に今回のエピソードではアリスが滅茶苦茶浮いてしまっていた。
しかもアリスのモノローグが入って、如何にもアリスが主人公と言わんばかりの描き方をしていた。
こうなると、どうしてアリスはこんなにも熱血しているのか、気になってしまう。
他の隊員との温度差が異常なだけに、尚更そう感じてしまう。
もしアリスが主人公でなくサブキャラだったら熱血姉ちゃんでも全く問題なかったと思う。
僕はアリスのような熱血キャラは好きなのだが、ちゃんと背景が描かれてなければいけない。
アリスの事が良く分からないまま見続けても面白くないので、今回で見切りたいと思う。
2006/10/11
パズドラクロス 第87話「光の潰える時」
一難去ってまた一難。 見所 見所はもっとあるので「もっと読む」をクリックして下さい。
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