○良かった点
・メルの性格
→クルリに騙されても怒らない良い子。それは良いのだけど、やや説得力に欠ける。
そもそも、Aパートのエピソードはメルのキャラクターを小さなエピソードを積み重ねて視聴者に理解させてからやるべきだった。
オチにクルリのデレ(これもこれで、それまでにクルリがどんなワルなのかを描かなければ、如何に意外な行動なのかが理解出来ないし、説得力が無い)を持ってきただけに尚更そう感じた。
1クール作品だったら仕方が無いが(それでも4話目にやる話ではないけど)、それ以上なら少なくとも2クール目以降にやるエピソードだと思う。
1クール目は、ちまを中心にメインキャラクター(メル、ガク、ハル)を立てる作業(大きな事件でなくて良い。本当に小さな、小さな事件で各キャラクターを立てれば良い。ただのお使い話で良いのだ。学校の授業話だって、宿題話だって良いんだ。とにかく、三日月森で日常として見られる光景を描けば良いのだ。)に徹して、2クール目以降に今回のような大きな事件でちまを含めたメインキャラクターに深みを持たせた方が良いと思う。
キャラクターデザインは良いし、ちまは悪い子じゃないし、世界観も悪くない。ちまもメルも個人的には好きなキャラクターだ。(ちょっとレズっぽい関係も良いし)
それだけに、きちんとキャラクターを立てずに大きな事件をエピソードをやってしまう事に憤りを感じる。
・三日月森の地下描写。
→地下の世界の一部が描かれていて面白かった。
○悪かった点
・メルがちまに憧れている所。
→全く説得力が無い。というより、何故メルがそう思うのかが全く理解できない。
今回のAパートはメルが主人公となっている。という事は、視聴者はメルと同じ価値観、気持ちを持っていないといけない事になる。
メルがちまのような女の子になりたいと思ったなら、視聴者もちまのような女の子になりたい、という気持ちになっていないと今回の話は成り立たない事になる。
視聴者をメルと同調させたいなら、このエピソードをやる以前に徹底的に、ちまが魅力的な女の子だと視聴者に示さなければならない。
その為には、メルをちまと対極的なキャラクターとして描いた上で、ちまが皆に好かれているという描写をしなければいけない。ちまが積極的ならばメルは消極的に、ちまが大雑把ならばメルは繊細というように。
そうすれば、メルがちまに憧れたとしても視聴者は納得できると思う。
・クルリの態度の変化。
→本人が言うように、見舞いをする事自体が珍しいなら、クルリが悪戯好きだという事をとことん描写しなければ説得力が無い。
・ちま達がホッホー先生の見舞いをしに行った所。
→Bパートのエピソードを見て、ど根性ガエルを思い出した。ひろし達と町田先生の関係だったら、町田先生がケガをしたならひろし達だったら町田先生の見舞いに行くだろうし、町田先生の為に動こうと思うだろう。
要するに、ちま達とホッホー先生との関係をきちんと描いていないので、ちま達がホッホー先生の手紙を届けようとするのが全く理解出来ない。
・ホッホー先生がヒーヨ&ドリー兄弟とちま達を競わせた所。
→競わせる意味が分からない。ちま達が自ら喧嘩を売ったならまだしも。
・橋が落ちていた所。
→意図は分かるが、伏線も無しに描かれてもストーリー都合でそうしたとしか思えない。ならば、冒頭に大風のシーンを描けば、橋が落ちたのは大風のせいだと視聴者が関連付けられるだろう。
ついでに言えば、ホッホー先生がケガをしたのも大風のせいにすれば話として繋がると思う。
・ちまがひらりさんに手紙を託した所。
→売られた喧嘩なのにひらりさんに頼むなんて責任感のかけらも無い。
そもそも、本気でホッホー先生の事を想っているなら、ひらりさんには頼まない。
橋が無ければ遠回りしてでも向こう岸に渡る方法を考える(または行動す)べきだ。
そういう努力をしたけれど、それでも向こう岸に渡れなかったなら、そこで初めてもぐらのおじさんを出して良いと思う。
今回の話にはちま達の努力描写が全く描けていない。
描けよ!そういう努力描写を、主たる視聴者である子供達に見せろよ!
2007/08/03
パズドラクロス 第87話「光の潰える時」
一難去ってまた一難。 見所 見所はもっとあるので「もっと読む」をクリックして下さい。
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