死神編(第01話~第49話)は面白かったが、天使編(第50話~第70話)はそれ程面白くなかった。
それというのも、死神編は主人公の両親を救う事(=各地で災いをもたらす死神を封印する事)と目的が明確にされていた一方、天使編はいたずらが好きな天使をいたずらしないように捕まえるのが目的だったのが、途中で天使を救う為に捕まえる目的に摩り替わってしまったからだ。
問題なのが、主人公の動機が死神編では「(両親を守るためとはいえ)大好きな両親が石にされてしまい、しかも石化を解くには死神を倒す(正確には、死神の頭の毛が必要)必要がある。打倒死神!」とはっきりしていたが、天使編では「お城の生活は退屈だなぁ。あ、いたずらする天使が城から逃げ出したみたい。じゃあ、旅するついでに天使を捕まえるとするか!」程度の動機しか描かれていない。
しかも途中から何故か「天使には呪いがかかっていて、そのまま放って置くと人間になってしまうんだって?大変!天使たちを捕まえないと!」に変わっていた。
主人公の性格からして、死神編はともかく天使編では自ら動く事はあり得ない。
一応、主人公が出張らないといけない理由はつけてはあるものの、それでも動機が死神編と比べて薄弱だった。
とはいえ、1話1話のエピソードは面白く、飽きずに見る事が出来た。
しかしただ一点、天使編のオチともいえる69話は酷かった。
というのも、天使たちに呪いをかけた当事者に主人公が呪いを解くように説得したのだが、頑なに呪いを解くことを拒否した当事者を罵ったからだ。
主人公は天使が可愛そうだから、の一点しか頭に入っていず、天使たちにいたずらされたまま、長期間に渡りいたずらされたままの当事者の気持ちを全く考慮していなかったからだ。
しかも、天使たちに与えられた罰を主人公のみならず主人公の仲間に肩代わりさせる(仲間は自発的に罰を受けると言ったが)と勝手に言ったからだ。
僕はこの言動にがっかりしてしまった。
更にがっかりしたのが、主人公を諌める立場の者達までが主人公に賛同してしまった所だ。
話をまとめる為とは言え、この展開は酷いと言わざるを得ない。
夢のクレヨン王国で唯一、悪いエピソードだったと思う。
これさえ無かったら、僕の中での天使編の評価は低くならなかっただろう。
夢のクレヨン王国は死神編までの作品で、天使編は蛇足だったと思う。
2007/01/21
パズドラクロス 第87話「光の潰える時」
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