2006/01/27

ローゼンメイデン トロイメント 第12話

なんという事だろう。ローゼンメイデン第二期がこんな終わり方をするとは。
それまでの謎が一気に明かされたが、あまり納得の行くものではなかった。
それどころか、ますます謎が増えた。

謎1:人形師エンジュは人形師ローゼンか?
答え:エンジュはローゼンの弟子。
そうなると、また幾つかの疑問が生まれる。
薔薇水晶のローザミスティカを、エンジュはどうやって調達したのだろうか?
オリジナルの薔薇水晶からローザミスティカを奪ったのだろうか?
そう仮定した場合、どうやって薔薇水晶からローザミスティカを奪ったのだろうか?
そうでない場合、エンジュはどうやってローザミスティカを作ったのだろうか?

謎2:ラプラスの魔の目的は?
答え:(恐らく)ただの暇つぶし
「暇つぶし」が答えだとすると、これはあんまりだろう。
何のためにラプラスの魔を出したのかが分からなくなってしまう。
これだったら、初めから出さない方が良かった。

謎3:エンジュが作った薔薇水晶が壊れたのは何故?
答え:偽物だったから(?)
これが分からない。ローゼンが作った薔薇水晶でないから?
だとしたら、そもそも金糸雀や翠星石、蒼星石のローザミスティカを取り込んだ時点で
拒絶反応が起きていないとおかしくないだろうか?
どうして、全てのドールのローザミスティカを集めた時に初めて、拒絶反応が起きたのだろう?
ただの生きる人形としての存在は許されても、アリスとしては許されないからだろうか?
分からない。

謎4:ローゼンは何故、アリスへの道は一つでないと真紅に言ったのか?
答え:さっぱり分からない
何せ、ローゼンが出たのは今回が初めてな上に、真紅やジュンを通してしか
その思想を明かさなかったからだ。
しかし、ローゼンは随分と丸くなったものだ。
何せ、当初は「お前ら全員で殺しあえ!最後の一体になるまで。(意訳)」と言っていた(真紅を介してだが)のに。
どうして、ローゼンは別の道もある、なんて事を言ったのだろうか?
そもそも、そういう考えであれば、初めからアリスゲームなんてやりはしない。
途中で考えが変わったとしたら、どうしてそのような考えになったのだろうか?

謎5:蒼星石と雛苺はどうして蘇らなかったのだろうか?
答え:どう考えても分からない
真紅は、蘇る事が出来る人形は、薔薇水晶に倒された人形のみ、と言っていたが、僕には納得出来なかった。
全く、理由になっていない。
無理矢理に理由を考えるとするならば、蒼星石と雛苺は、Nのフィールドに居ないから。
しかし、それも理由にならない。
何故なら、ローゼンはNのフィールドも現実世界も自由に行き来出来るはずだからだ。
何せ、弟子のエンジュですら、気ままにNのフィールドと現実世界を自由に行き来しているのだから。
ローゼンがジュンの部屋に居る蒼星石と雛苺を連れて来ても良いはずだ。
(ジュンの部屋の居場所を知らなければ意味は無いが・・・そうは言ってもローゼンの事だから、
人形達の居場所くらい知っていてもおかしくはない・・・と思う)

謎6:ローゼンは何故、弟子エンジュの馬鹿げた行為を見逃したのか?
答え:全く分からない
どう考えても、納得のいく答えは見つからない。
エンジュの行動はまあ、納得出来なくは無い。
(ただ、エンジュがローゼンをなかなか超えられずに苦しんでいる様子を見ていないから、本当に納得出来ている訳では無い。)
ローゼンは、そんな弟子の心情を察したのだろうか?
もし仮にそうだとしたら、弟子の人形と自分の最高傑作と言えるドール達を戦わせようとする心情が理解出来ない。
弟子の人形がアリスになってしまっても良いのだろうか?(結果そうなった訳だが)
そうなった場合、ローゼンは弟子の人形をアリスとして迎え入れる積りなのだろうか?
エンジュはそれを許すだろうか?いや、許さないはずだ。実際、エンジュの行動を見れば分かる。
それとも、ローゼンには自信があったのだろうか?
自分の作った人形は弟子の作った人形に負けるはずが無い、と思ったのか?
それとも、エンジュの作った薔薇水晶はアリスになれない事が分かっていたからだろうか?

全く、嫌な終わり方だ。
謎を消化するどころか、増やして終わってしまったのだから。
一期の感動的な終わり方に比べて、なんという酷い終わり方だろう?

謎以外に、不満点がある。
アリスゲームの残酷さ、痛さが全く感じられなかった所だ。
前話もそうだったが、金糸雀や翠星石が薔薇水晶によって殺された時、彼女達が致命傷を負うカットが見られなかった。
痛みを感じられたのは、薔薇水晶の右腕がフッ飛んだ時くらいだ。
折角、4話でアリスゲームの残酷さを人形劇で表現したのに、それを実際のアリスゲームで表現していなかったのはいただけない。
例えば、前話だったら、
翠星石が水晶漬になった後、薔薇水 晶が剣を投げ、翠星石をバラバラに砕く。
胴体はもとより、手足も、顔も、長 い髪も、ドレスも、何もかもバラバラに砕かれる。
金糸雀だったら、薔薇水晶の水晶つ ぶてで弓を持っている手をフッ飛ばされる。
残った手でバイオリンの弦 を弾こうとするが、同様に手を飛ばされる。
翠星石の死と反撃も出来ない状況 に、金糸雀は絶叫する。
だが直後、薔薇水晶の放った剣で金 糸雀の 首が落とされる。
これくらいやらないと、人形達が命懸けで戦っているアリスゲームというものが伝わらないと思うのだが、いかがだろうか?


散々文句を言ってしまったが、唯一、褒められる箇所があった。
それは真紅と薔薇水晶の戦闘シーンだ。
それぞれが獲得した姉妹たちの力を使った戦闘シーンは迫力があり、そこだけ一番盛り上がった。



雛苺の苺の蔓攻撃



金糸雀のバイオリンの弦弾き攻撃



水銀燈の羽モンスター攻撃



翠星石の蔦攻撃



蒼星石の鋏攻撃


惜しいのはそのような戦闘を、前回行わなかった事だ。
脚本が悪かったのか、絵コンテを切った人が悪かったのかは分からないが、勿体無い限りだ。


ところで、ラストシーンを見て思ったのだが、もしかしたら、ローゼンメイデンの第三期が予定されているのではないだろうか?
何故なら、
1.蒼星石と雛苺が死んだまま
2.真の薔薇水晶が登場している(見所参照)
3.1.2.からアリスゲームの決着が付いていない
4.ジュンが引き篭もりから完全に脱していない
からだ。
二期がああいう不完全燃焼な終わり方をした以上、アニメ版のローゼンメイデンは完結しないと思う。


これ以降は、僕が思った、ローゼンメイデンにおける素朴な疑問を書く。
根源に触れる疑問があるので、気になる人だけ見て欲しい。

~~~~~~~~~~ここから~~~~~~~~~~
それにしても、何の必要があって、彼女達は食物を摂るのだろう?
摂った食物は一体、どこへ行くのだろう?人間でない彼女達に、消化 器は無いはずなのに。
そもそも、人形たちはローザミスティカがあって、ネジを巻かれれば それで半永久的に動く事が出来る。
ドラえもんのように、食物を摂らないと動けない訳ではない。(ドラ えもんは、食物を燃料に動いている)

あと、よく分からないのが、人形師ローゼンは、彼女達ドールをどう して世界中にばら撒いたのだろうか?
そして、どうして人間と契約させるようなシステムにしたのだろう か?
ローゼンが作った7体の人形達の中で優劣を争わせ、一番になった人 形に愛情を注ぐというのであれば、
世界中にばら撒く必要は無い。
ローゼン自身がネジを巻いて人形達を起こし、
「これから皆さんに殺し合いをしてもらいます」(by バトルロワイヤル)
と言えばいいだけなのだから。
起こされた人形達は訳が分からないだろうが、「お父様のおっしゃる 事ならば」と戦いを始めるに違いない。

この辺りは原作者はどこまで考えているのだろうか?気になる所では ある。
~~~~~~~~~~ここまで~~~~~~~~~~




見所




パチもん薔薇水晶(上)と真正薔薇水晶(下)



水銀燈を締め上げる真紅

パズドラクロス 第87話「光の潰える時」

一難去ってまた一難。 見所 見所はもっとあるので「もっと読む」をクリックして下さい。